「そんな、ことって……」 「あるんだね。でも俺、嬉しいよ」 放心状態のあたしとは対照的に、立川先輩の声色は明るい。 本気で、あたしに子どもができたことを喜んでる? 彼女でもない、どうでもいい遊び相手との子どもなのに? 「……でも、いきなり結婚なんて、」 あたし達、お互い何も知らないでしょ? それに……。 「順番が違ってるのはわかってるよ。普通は付き合うことから始まるよね?でもそれなら、今から始めるっていうのも、ありなんじゃないかなって」 「え?」