「え?」 「すぐ終わるから」 ね、と身体を押され、あたしは訳も分からず階段に向かう。 あたしに何か用かな。 できればソッとしておいてほしかったな……。 あれ、もしかして晴真先輩のことで――。 「あの、もしかして――」 振り返ろうとしたあたしにトンッと身体に力が加わり、次に視界に入ったのは階段。 えっ今押され――……。 「きゃあ……っ!」 それから先のことは覚えていなくて。 身体に痛みが走ったのと同時に、あたしは意識を手放した。