「……それで、今日は何しにきたの?」 机の上から顔をあげて、上村先生が俺を見た。 「何もなくて来るわけないでしょ、あなたが」 ふふ、と上村先生が笑う。 ――わかりきってるね、俺のこと。 「正解。相談があるんだ、可奈子」 「学校で名前で呼ばないで」 「……ごめん。相談があります、上村先生」 わざとらしく手を挙げると、呆れ顔の上村先生。