サァァと風があたしと加川先輩の髪をさらっていく。 あたしはただ加川先輩の華奢な後ろ姿を見つめた。 「わかってると思うけど、晴真のことなの」 「……はい」 「晴真のこと、お願いね」 「え?」 予想外の言葉に、あたしはびっくりして加川先輩を見た。 え、お願いされてる?なんで!? 「……?どうかした?」 「いえ……」 あたしはてっきり、別れてって言われるんじゃないかと。