「上村先生が、理由は立川先輩が知ってるって言ってたから……」 「うん、千亜樹ちゃんを保健室に運んだの、俺だからね」 「そう、ですか。あの、だから……来たんです」 最後のほうなんて、もう聞こえるかどうかもわからないくらい小さな声で。 だけど立川先輩は、ちゃんと聞き取ってくれた。 「うん、俺も言いたいことあったから、丁度よかった」 そう言って、天使みたいな笑顔をくれる。