「――千亜樹ちゃんの顔見にきただけだから」 帰ってほしくなさそうにしているあたしに気づいたのか、ちょっと眉が下がる。 寂しいな。もうちょっと一緒にいたい。 だけど、晴真先輩はもしかして。 「そのためだけに、来てくれたの?」 「当たり前だよ。これからも毎日会いに来る」 「晴真先輩……」 「だから絶対、よそ見しないように」 ツン、と人差し指があたしのオデコに当たった。