「じゃあ、また」 「……あぁ」 晴真先輩に軽く頭を下げて、弥は教室に入っていった。 ――ふぅ。 「……玉木弥に、なにもされてない?」 弥の方を見ながら、晴真先輩があたしに問いかける。 「うん、なにもないよ。不思議なくらいに」 あれから、あたし達はすぐに顔を合わせた。 でも弥は、いつものようにあたしに笑いかけてくれた。