なのに、どうして聞けないの? どうしてこんなに、胸が苦しくなるの? 「千亜樹ちゃん?」 ――あぁ、そうか。 あたし、立川先輩に遊ばれたからだ。 「……あの、あたし気づいたら保健室にいて」 「うん、知ってる」 一生懸命紡ぐ言葉に、立川先輩はサラッと答えを出す。