「ち、あき……」 「えっ?」 涙で視界がぼやけたあたしに聞こえた、しぼりだしたような晴真先輩の声。 ――今、千亜樹って呼んだ? 晴真先輩を見てみても、目は閉じたまま。 無意識に呼んだ?あたしの名前を? 『千亜樹』 しかもいつもの千亜樹ちゃん、じゃなくて? かぁぁと頬が熱くなるのがわかった。