「軽い熱射病ね。体調悪かったのかしら」 保健室で、上村可奈子先生がタオルをしぼりながらそう言った。 「体調が悪いなんて、晴真先輩一言も……」 さっき、コートに戻る直前で倒れた晴真先輩。 騒がしくなったそのなかで、あたしは真っ先に晴真先輩のところに走った。 「晴真先輩っ!大丈夫ですか!?」 額には汗が浮かんでいて、苦しそうに顔を歪めていた。 どうして?どうしてこんなになるまで……。