「あ、次始まるって。行こうぜ」 「……あぁ」 元輝に言われて腰を上げて、周りを見た。 コートを囲む生徒達の中から、1人の女の子を探す。 ――いた。 ちょうど真ん中。真っ直ぐに俺を見る、千亜樹ちゃんがそこにいて。 ――大丈夫、負けない。 いてくれるだけで、心からそう思える。 大切な存在だって、改めて気づかされる。