「……あのー立川先輩、いますか?」 おそるおそる教室の入り口にいた男の子に声をかける。 「ん?2年生じゃん。なに、晴真の知り合い?」 「えっ?いや……知り合いっていうか……」 あたしにはなんの関係がないはずなんですけど……。 どうしたらいいか困っていると、後ろから声が聞こえた。 「……なに、俺にお客さん?」 丁度いい低さの、心地よい声。 聞き間違えるはずがない。この声は――……。