「……晴真先、輩?」 「そう!さすが王子さま!モテモテだね」 「う、うん……」 集団から頭一個分飛び出た、綺麗な顔。 こうやって見てみると、すごく距離を感じてしまう。 あそこにいるのは、いつもあたしの隣にいる晴真先輩じゃなくて、みんなの王子さま。 手が届くはず、ない。 いつもわかってはいるのに、胸がギュッとなる。 やっぱり晴真先輩とあたしは、釣り合わない……。 晴真先輩の言葉に安心をもらっても、大切にされてるって感じても、そう思わずにはいられないんだ。