「……はぁ」 「ちょっと!千亜樹あれ!」 「えっ?なに?」 いつのまに隣に来たのか、バシバシと奈々に肩を叩かれあたしは顔をあげた。 奈々が指さす先には、人だかり。 ――なにごと? 「奈々、人だかりがどうかしたの?」 「もう、人だかりはどうでもいいの。それより、その真ん中にいる人!」 その真ん中にいる人? 目を凝らすと、誰かが女の子達に囲まれているのが見えた。 あの人は――……。