「――弥?」 「応援なんて、してくれなくていいから」 「えっ、わた……」 「だけど見てて。俺のこと」 “絶対立川先輩に勝つから。” それだけ言って笑って、弥は大勢の中に走って行った。 その背中は凛々しくて、キラキラ輝いている。 いつも一緒にいた弥。 あんなに真っ直ぐな気持ちに、応えられない。 ……あたしは、いったいどうしたらいいんだろう。