冷たい瞳が一瞬見開かれて、元の優しい瞳に戻る。 「――ごめん」 「晴真先輩……?」 いったいどうしたの? そんな冷たい瞳なんて、してほしくないよ……。 「ごめん。……俺さ」 はぁ、と息を吐いた晴真先輩の綺麗な指が、あたしの前髪を撫でた。 とてつもなく、優しく。 「こんなになっちゃうくらい、大切なんだ。千亜樹ちゃんのこと」 「……え?」