「それから抱きしめられて?甘い言葉でも吐かれたの?」 「――っ!?」 まるですべてを見ていたかのような、晴真先輩の言葉が、冷たい。 「それで、気持ちを揺さぶられた?」 「晴真先輩……」 「ソイツを選びたいと思った?」 「それは、」 「俺との関係を、無かったことにしたいと思った?」 「晴真先輩……っ!!」 これ以上聞いていられなくて、あたしは晴真先輩のシャツを掴んだ。