目の前には、不機嫌そうに閉じた綺麗なまつげが見えて。 何が起きているのか理解するのに、数秒かかった。 ――あたし、キスされてる? 「は、はる、ま先ぱっ……」 「黙って」 「えっ――……あっ!」 チクリと首筋に痛みがはしり、晴真先輩の顔が離れた。 「え、今のって……」 「嘘ついた、お仕置き」 「おお、お仕置き!?」 バッと首筋をおさえる。