「ずっと大切にして思ってきたヤツを、他人にそんな簡単にかっさらわれるなんて、ありえねぇ」 はぁーと弥がため息をついて階段に座った。 「あー最悪。こんな風に勢いで告白するつもりじゃなかったのに……」 頭を抱えて、なんだか落ち込んでる様子。 こういうとき、あたしは何て声かけたらいいんだろ? ……わかんないや。 「あの、弥?」 「あ、そうだ」 何かを思い出したらしい弥が、あたしを見た。 「だから、クラスマッチで立川先輩と勝負することになった」 「へ、勝負?」