「……うん?どうしたの?」 「あたし、急がなきゃいけないんです」 「え?」 「だから、失礼します!」 「えっ、ちょ、っ大原さん?!」 呼び止める言葉も無視で、あたしは階段を駆け上がった。 いやな予感が、した。 『あたし晴真の……』 あの言葉の続きを、どうしても聞きたくなかった。