実はね、不謹慎かもしれないけど あのときのキス…。 悲しみの方が勝ったけど、少しだけ嬉しかったの。 こども扱いしていたあたしに、キスをくれたこと。 それは、少しは女として亮佑さんの目に映ってたって… 思ってもいい―…? そんな気持ちだった。 とてもじゃないけど言えない、そんな気持ちだったの。 でも亮佑さんは、謝った。 “なかったこと”に、しなければいけない。 とっさにそう思ったんだ。