奈々と付き合って一ヶ月。
あれ以来 煇と俺の顔のことは気にならなくなった。
帰りの会が終わり、いつも通り 奈々の教室に 行く。
“奈ーーー”
そう言いかけたその時。
教室から声が聞こえてきた。
“ねぇ、奈々って翔君と付き合ってるんでしょぉ〜?”
“うん。 翔とってもかっこいいんだ♪”
“だよねぇ!でもさー、正直言ってぇ、煇くんと翔くんって見分けつかないわぁー。奈々見分けられてすごぉぉい!”
“え?見分けられるわけないじゃん。どっちかわかんないけど、ウチに話しかけてくんの翔くらいだしぃ。 煇くんと関わりないし。”
“ぎゃはは!だよね!わかんないよねー”
…この瞬間 俺の中のなにかが壊れたんだ。 結局、俺と煇 どっちでもいーのかよ。 奈々だけは…って。奈々なら俺だけを見てくれるんじゃないかって。
ずっと信じてたんだ。
もちろんこのあと奈々とは別れた。
それから一切女を信用しなくなった。
やっぱり俺と煇は 一緒なんだ って。
〜〜翔 side end〜〜
