「ちょっと……降ろしてよー!」 紅葉が俺の背中を叩く。 「犬に乗って町中を歩くとか楽しいだろ?」 そのまま俺は走り出した。 「……ちょっと!!」 紅葉が慌てて俺の背中に顔をうずめる。 「……恥ずかしい。」 「俺は恥ずかしくない。」 「………………。」 「じゃあ、家に帰ったら宿題手伝ってよ?」 「はいはい。しょうがないでちゅね~」 「腹立つ!!」 丁……。 守ってやれなくてごめん。 でも、お前が好きだった人の世界で俺は、 精一杯生きるよ。