「お前は人か?あやかしか?」 山菜積みに夢中になっていた俺の上から声が降ってきた。 心臓がはねあがる。 今話しかけてきたのはニンゲンか? 恐る恐る顔をあげると、着物を着た女が立っていた。 綺麗な女だ……。 「俺は……」 自分を『ニンゲン』だとは言いたくなかった。 右足を踏ん張り、全速力で駆け出した。 しかし、すぐに襟を掴まれて持ち上げられ、空中で暴れる。 「離せ!ニンゲン!!」 「失礼な……。私は誇り高き狼女だ。」 「え……。」 その女は俺を静かに地面に下ろした。