衝撃で私は床に押し倒された。 「……っ……き……」 息が……出来ない……。 志木が口を大きく開ける。 いつも以上に鋭い牙が見えた。 昨日の昼休みと同じアクションで私の首もとに近づく。 激しい痛みと共に、温かいものが染みるのが分かった。 噛まれてる……? 「……し……き……」 朦朧とする意識の中、声を絞り出す。 違う……。 志木はこんなことしない……。 私が好きになった志木はもっと…… 温かくて、いとおしい。 「……志木…………」 涙が頬に伝った。