私が後ろを向いているうちに、そいつは服を着て、私に向き直った。 「あんた何?どっから入ったの?」 私は十分距離をとって、その男に尋ねた。 「『何』って、俺だよ、俺。」 「ふざけないでよ!変態!」 「おいおい……。この家に入れてくれたのはお前だろ?」 私……?寝ぼけてドア開けたのか……? 「そんなことしてないっ!!」 男はフーっと息を吐いた。 「俺。小野寺志木。 昨日のワンちゃんだよ。」