桜庭 恋 (さくらば れん) それが私。 私の大切な思い出。 小5の3月。 バレンタインに 大好きな君にチョコをあげた。 ピンポーン 君の家のインターホンをおす。 『はーい。』 女の人の声。 お母さんだろう。 『あのー! 夏目くんいますかー?』 緊張して自分の声が 違う人の声に聞こえた。 私が大好きな君。 古谷 夏目(ふるや なつめ) バスケ部で、 Sっ気のある君。 『ぁ!はーい! ちょっとまってねー!』 夏目のお母さんの声は さっきより少しだけ 明るくなった気がした。