11月11日……、

ニシハルの、誕生日。


誰もいない職員室の入り口で……、


私は、ニシハルと……対峙する。


見えない境界線が、二人の間を…阻んでいたけれど。


未知の世界へと…


飛び込んでみたくなった。



大きく…

一歩、飛び越えると。


「あーあ…、来るなって言ったのに。」




ふわりと…



大きな手が、私を包みこんだ。



先生の…タバコの匂いが、胸を…締め付ける。


もう、苦手なんかじゃ…なかった。


癖になってしまうんじゃないかって……思った。





これが……


この恋の、はじめの…一歩。