外は雨が降っている。


冬を一緒につれてくる、冷たいさみしい雨だ。



わたしは雨の日のバスがすきだ。



窓が涙を流したあとの頬みたいにしっとり白く曇っているところや、


その窓を通して


信号や車のブレーキランプや町の光が


雨粒に滲んで頼りなくぼんやり光るのを見るのがすきだ。



以前、そのことを彼に話したことがあるような気がする。