「兄さん!!!落ち着いて!!!」 いつの間にか俺の目の前には沙羅がいて、セシルが俺の拳を握っていた。 拳はもう、血でベトベトしていた。 「落ち着いて、綺羅。」 「……ッ」 奥では泣きながらうずくまっている早苗さんの姿。 目の前には虫の息のレイン。 気絶寸前の斎藤なつめ。 ゆっくり呼吸を整え 「殺せ」 腹のそこからでたその言葉は自分でも驚く程に冷静だった。