大学の講義が始まり、一週間に数回大学に通っていた1月の下旬。


あたしはサエちゃんと待ち合わせて、ランチをしていた。


「隆治から聞いたよ…」


サエちゃんの言葉に、持っていたフォークの動きが止まった。


「ひどいよね…」


サエちゃんの声に、怒りが感じられる。


あたしは止まっていた手を再び動かして、食べ物をそっと口にした。


「時間稼いでるのか、何なのか知らないけどさ。

千春ちゃん、母親巻き込んで、隆治を取り戻そうとしてんのよ」


一昨日、おばあちゃんを心配した母さんが、一旦島に帰ることになった。


だから、隆治に会おうと思えばいつでも会いに行けるのに…。


この頃隆治は仕事がいっぱいいっぱいで、ひどく疲れているようだった。


もうすぐ大学も後学期末試験だし、そうなるとまたしばらく会えそうにない。


「ひと言文句言ってやろうかと思って、何度も電話かけてんだけどさ。

完全に無視してんの。

右京もかけたらしいんだけど、千春ちゃん出ないらしいわ」


思わずふぅとため息が漏れた。