カズ兄が“そのうち役立つだろう”と言って、俺にくれた箱を取り出す。


俺の気持ちに、カズ兄は気づいていたんだろうな。


ついに、役立つ時が来てしまった。


こんなに早く訪れるとは、正直思ってなかったんだけど…。


箱と袋を開けるだけで、すげぇ恥ずかしかったけど、すずが大切だし、不安にさせたくはないから、ちゃんとしようと思った。


すずは終始、すごく恥ずかしそうにしていて。


そういう純情なところや恥じらい方が、かえって俺を興奮させたように思う…。


初めてだし、きっと苦痛の方が大きいだろうに、すずは黙ってひたすら耐えていた。


俺の気持ちに応えてくれる、その思いが嬉しかった。


だけど、やっぱりつらかったのか、すずの目尻から涙が一筋つたっていて。


それを見ていたら…。


なぜか俺も泣いていた。