…終わっちゃった。




わたしの、学校生活。











…あーあ、全部忘れちゃうんだなぁ。











でも、この歌だけは。









…毎日、聞こう。














「ただいまー…」



「ねぇちゃん…」


「符和…」


お父さん、お母さん。


それに、弟。


こんなに心配してくれてる。


でもわたしは、みんなのこと忘れちゃうんだなぁ…



「大丈夫だよ!!

行こっか!!」



…せめて、笑顔で。



「あぁ…っ、符和、ごめんな…っ!?」


「お父さん、謝んないでよ~!!

そりゃ、病院食は不味いかもだけどさ!!

学校さぼれるし、お年寄りと話すのも楽しいよ!!」




「…符和、いこう。」



こうしてわたしは、病院へと向かった。


そして、もう二度とこの景色を見ることはないだろう。



わたしは、一日でも忘れる日を遅らせようと、必死で景色を眺めていた。