コンビニの前に並んで座り
隣でもそもそとパンをかじるタケは
小動物にしか見えんかった。
あたしの手にはタケが買うてもうた
板チョコが握られている。
彼なりのお礼のようだが
板チョコってなんかずれとんなこの人。
パンをもそもそ食べたまま
言葉を発する様子はない。
これあたしいるんやろか?
板チョコをコンビニの前で
食べる女子高生を想像したら
なんとなく滑稽で
やることもないのでとりあえず
彼を眺めていたら
突然彼は口を開いた。
「あっちゃんさ、翔ちゃんと友達?」
ん?かけるちゃん?
心当たりが無いため
困惑の表情を浮かべると
「及川翔」
あー及川くんか。
「友達っちゅーか、 うーん友達?」
友達って言うほど喋らんけど
なんとなく、友達な気もするし
そうとちゃう気もする。
中途半端なあたしの返しに
真顔でふんふん頷く彼。
なに納得しとんねん。
