不器用な彼の秘密






「これは…一体どういうことなんでしょうか」




階段脇の壁に、なぜ私は世間一般でいう"壁ドン"というものをされているのだろうか。



階段を降り終わって、さぁ職員室まであと少しというところだった。


突然後ろから手を引かれたかと思うとそのまま勢いよく壁に背中を強打。


反射的に顔を上げればそこには見慣れたバスケ部のジャージがあって。

横には私を挟むように手が置かれていた。


もしかしたら此処は『きゃっ!ドキッ』みたいになるべきなのかもしれないが、それどころではない。

背中痛いんだよ、背中。



だけどそれが言えないのは目の前の男が私の代わりこれでもかというほど顔を赤くしているからである。