年下レンアイ2



「はい…?」


苦手意識を持った人に対しても嫌な顔ひとつせず受け答え出来るスキルは、学生時代のときにもう既に備わっていた。



「今日から君の上司になる名刈でーす。よろしくね!」


浮ついたキラキラスマイルに私の顔に貼りついた微笑みが剥がれそうになったが、辛うじて防いだ。
突然の気乗りしない辞令にも嫌な顔を出さないスキルは、ここ数年で付いたものである。


「…よろしくお願いします」


私が応えると、名刈は満足そうに頷く。


「突然だけど、君には企画部Cの部長になってもらうね」


「はい………え?」


「今日から君は営業商品企画部Cグループの部長になってもらうよ。上からの指示で」



う、うそでしょっ?


そんな、まさか!


私が……



「…私が、企画部の部長…ですか……?」


「嫌かい?」


「とんでもないですっ!光栄です!……でも名刈さんは…?名刈さんが私の上司になるのでしたら名刈さんが部長じゃないですか」


思ったままの疑問を投げただけなのに空気を吹かれる。


「冗談じゃないよ、あんな名ばかりの責任席。俺はね、責任取らされるのが一番嫌いなの!」


「はぁ……」

予想していなかった答えに思わず気の抜けた声が出てしまった。



……最低じゃないですか。

ってか、その責任席をあなたから言い渡された私の立場って…。



「ま、俺は部長のサポーター役として、企画部部屋の一番いい椅子を貰うよ。それに、安心して。企画部Cなんてうちの社で一番小さい部署だから。責任席って言っても…気楽にやって行こうよ」



「……………」



え、えぇぇぇぇ………………。