「ちぃーす。こんちは!今日からここで働く事務員の皐月でーす。以後、お見知り置きを!」
満面の笑みでピースする彼を、私は呆然と眺めた。
「……ん?俺の顔に何か付いてる?」
「…あ、いや…そうじゃなくてね……えーと…、部長の佐々井です。で、こっちが新入社員の沢田くん、移動の弥生ちゃん、アドバイザーの……ってあれ?」
「よろしくー」
「よろしくお願いします」
「よろしく…です…」
沢田くんと弥生ちゃんが彼と挨拶をしている間、ふと後ろを見ても名刈さんがいない。
「…?さっきまではいたんだけどな……?」
「誰がいたの?」
「わっ」
顔を覗き込まれて驚いた。
なんていうか……人懐っこい人なのね。
「名刈さん。ここのアドバイザーでここで一番偉い人なんだけど……えー?さっきまでここにいたのにー」
どうしたんだろう、と疑問を浮かばせて彼を見た。彼が呟いた気がした。
「名刈…ね…」

