「慌てるな!」

と、一瞬固まってしまった集団の長が指示した。

その周囲で、警戒装置が地面を割って飛び出す。

マイクスタンドに監視カメラが備え付けられたような、機関銃である。

赤いセンサーが筋を伸ばし、侵入者へ照準を合わせた。

「落ち着け! まずは現状を打開するっ!!」

男の指示に、集団は即座に対応した。

銃を小脇で固め、引き金を引く。

タタッ、
タタッ、
タタタッ。

小刻みに乾いた音がし、火花が、闇で跳ねた。

そして飛び出した弾丸が、監視カメラ兼迎撃装置を、順に撃ち壊していく。

男達はいずれも手練れなのだろう、十秒としないうちに、周囲の警備は破壊された。