幸恋‐ユキコイ‐

そう言って頭をクシャッと撫でた。


「ありがと・・・」


「ほら、行くぞ」


奏太は私の手を握る。

いつもの繋ぎ方じゃなくて指を絡ませて。


顔が赤くなるのを見られないようにしながら病室に戻った。


―――――――


「あ!ケーキ!
買ってきてくれたの?」


病室に入るとそこにはケーキの箱があった。


「あぁ、小さいのだけど」


「ありがとう!」


箱を開けると苺が2つ乗った生クリームのケーキがあった。


「食べよっか」


「うん!」


引き出しからフォークを取り出してろうそくに火をつける。

部屋の電気を消してろうそくの火の色だけが浮かび上がる。


「「メリークリスマス」」


ニコッと笑って唇を重ねた。


キスが終わるとフォークでケーキを食べた。


本当はナイフで切りたかったけどないから。