唇が離されると奏太は真剣な瞳をしていた。


「ごめん、ごめんな」


「え?」


なぜ奏太謝るのかが分からなくて首を傾げる。


「ただ妬いてただけだったんだ。
会えない間にどんどん仲良くなってくから不安になった。
幸未は警戒心なんてまるでないみたいだったから取られるかもって思ったら怖くて…」


うそ…
絶対に別れ話だと思ってた。


「私こそごめんなさい。
奏太に会えないのが寂しくて廉くんを代わりにしてたのかもしれない。
それに坂城さんは学校での奏太の顔を知ってるから…」


「え?
どうして坂城の名前が出てくるんだ?」


これ…言わなきゃダメかな…


奏太はちゃんと伝えてくれたから私もちゃんと伝えなきゃ・・・


「電話で奏太の事が好きって言ってた…
奏太には私よりも健康で可愛い子と付き合った方がいいのかなって思っちゃってね」


堪えていた涙が一気に溢れた。

涙が出ると奏太は優しく頭を撫でてくれた。


「前にも言ったろ?
俺は幸未が好きなんだから安心していいんだよ」


「妬いてたの!」