「そ、そうだよなー
やっぱ、勝てないか!」


「え?」


突然変わった廉くんの態度に私は戸惑いを隠せない。


「ごめん、この前。
僕があんなこと言わなければ発作にならなかったかもしれない」


「そんなことないよ!」


「それに僕、知ってたんだ。
彼氏がドアの隙間から見てるの」


「は?」


「だから本当にごめん」


え?え?
そうなの?


「僕、来週退院するから」


「そうなの?!おめでとう!」


また、入院友達が一人減っていく。
お祝いの言葉とは裏腹に私の心は切なさが増す。


「うん。言いたいことはそれだけ。
じゃあな」


そう言って彼は立ち上がり部屋を出ていった。


「ま、待って!」


思わず私は彼を引き留めた。


「私なんかを好きになってくれてありがとう」


純粋にうれしかった。
病気の私なんかが男の子に好かれるなんて思ってなかったから。