目を開けるとそこには白い天井。

腕には点滴。


「目、覚めた?」


ボンヤリとしていた私の意識はその声によってハッキリした。


「何…で・・ここに…?」


視線を横にずらすと奏太がいた。


「起きれる?」


私はゆっくり頷いた。
彼は私の問いに返してくれなかった。


「先生が軽い発作だって言ってた。
命に関わることじゃないから安心しろって」


「ありがとう」


そう言って私は微笑みかけた。
でも、それと同時に坂城さんの電話が脳をよぎる。


「あのさ」


そう言って奏太は話を切り出した。


「俺、4時半頃携帯に電話かけたんだけど気づいた?」


奏太の問いに言葉を詰まらせる。
4時半といえば私が廉くんに抱きしめて告白された時間帯。
そして発作が起きる直前。

着信、鳴ってたっけ?


「う、うん。
勿論気づいたよ。
でも、検査中だったから取れなかったの、ごめん」


嘘をついた。
廉くんに告白されて抱き締められた、なんて奏太に嫌われそうで言えないよ…