「はい…」


『ありがとう。じゃあ、森内君によろしくね』


そう言って通話は切れた。

“よろしくね”って言われてもしばらく奏太と会えてないんですけど…

嫌だよ。
本当は奏太の事諦めてほしい。

あの人は学校での奏太を知ってるんだ。


授業を受けてる時の真剣な表情も


友達とふざけあってる無邪気な表情も


ヤキモチなんてもんじゃない。

それよりコゲまくりだよ。


ねぇ、今何してるの?


どうして連絡してくれないの?


会いたいよ…



――――――――――


「珍しいじゃん。一冊読むのに4日以上かかるとか」


次の日私はまた廉くんの病室へといった。


「昨日は眠くなってすぐ寝ちゃったの」


嘘。
本当は昨日ずっと泣いてた。

泣き疲れて気が付いたら寝てて朝になってた。

今日だって本当は全然笑えない。


何をしてても昨日の電話が浮かんでくる。


「今日元気ないじゃん。どうした?」