私は病院から出られないから学校での奏太の様子を知らない。

だから私の知らない奏太を他の女の子が知ってると思うと嫌。


「じゃあ、そろそろ帰るな。
また明日な」


そう言って奏太は私のおでこにキスをして帰って行った。


―――――――

「体調最近いいみたいですね。
もしかしたら自宅療養もできるかもしれないな」


「本当ですか?!」


次の日、検査を受けた後に後藤先生に言われ私はうれしくなった。


「幸未ちゃん最近笑うようになったよね。
前は冷めた感じの雰囲気だったけど今は表情が柔らかくなってる」


「そうかな?自分じゃわかんないや…」


「笑うと免疫力が上がるからそのおかげかもね」


「そっか…きっと奏太のおかげ」


「奏太くんね、いい青年だよ」


奏太の話をされて思わず顔が赤くなる。

今後の検査方法とかを話してそのあとは終わった。


「幸未ちゃんお願いがあるんだ」


診察室から出た時、伊藤さんが言った。