次の日は吸い込まれるような青空だった。

いいことがある気がする、そう思った。


今日は久しぶりに屋上へ来た。


奏太に思いを告げられて断った日…

あの日以来この場所には来ていない。


「幸未ちゃん、こんなところに居た!
検査の時間だよ」


ベンチに腰掛けていたら伊藤さんに呼ばれた。


「うん。今行く」


そう言って立ち上がった私に伊藤さんは驚いた顔をした。


「…何?」


「いや、幸未ちゃんが検査を文句言わずに受けるなんて久しぶりだなって…」


「私だって文句言わずに検査ぐらい受けるよ」


そう言うと伊藤さんは笑った。
私もつられて笑ってしまった。


検査が終わり、あっという間に夕方になってしまった。


病院内は電話しちゃいけないから私は通話可能な場所へ行った。


震える手で番号を押す。