幸恋‐ユキコイ‐

私が病気になった事を打ち明けた時には涙を流してくれた。

そんな結夏が私は大好き。


「ユキ!今から試合なんだけど審判お願いしていい?」


結夏が声をかけてきた。


「いいよ。いつも通り点数入れればいいんでしょ?」


「ほんと?ありがとう」


今の体育はバレー。
私は点数板の前に立つ。


「幸未ちゃん、また体育見学してる…」


「いいよね、運動禁止なんて適当な嘘つけばずっと休めるんだから」


誰かがボソッとつぶやいたのが聞こえた。

またこれか…
いいよね、普通に運動ができて、普通に汗を流せる。


「ちょっと、そんな言い方ないんじゃないの?!」


「結夏…私は大丈夫だから」


彼女は私が悪口を言われるたびに言い返してくれる。



ずっとこんな日常が続くんだと思ってた。

死ぬまで結夏が横にいてずっと体育を休んで…



でも違ったんだ。
いつかはみんなと離れちゃうから。