幸恋‐ユキコイ‐

「うん…悪い夢…
夢でよかった…」


そう思ってるのは事実。
でも奏太を傷つけてしまったのは現実なんだ。


「幸、最近何かあったの?
後藤先生から聞いたよ。
最近の検査結果が悪くなってるから何かあったんじゃないかって」


私、悪いんだ…


「ちゃんと安静にしてなきゃダメだよ?」


「うん、そうだね…」


「で?何があったの?」


結夏はベッドのそばのパイプ椅子にドカッと座った。


「え?何が?」


「顔に書いてあるよ。
悩んでますって。
何年、親友でいると思ってんの?」


さすが…
結夏にはなんでも話せる。

でも、奏太のこと何から話せばいいんだろう…


「私って恋する権利…あるのかな?
長く生きれないのにさ…
人を好きになってもいいのかな?」


思っていたことをそのまま話した。