「背が高くて、ほら、昨日退院なさった森内さんにそっくりだったわ。
歳は幸未ちゃんぐらいで…
確か…この辺の高校の制服を着てたわよ」


間違いない、奏太だ。

彼は私のあとを追って病室の前まで来たら私が処置されてる所を見たんだ。


「伊藤さん、ありがとう」


「いいのよ。あ、気分はどう?
もう酸素マスク外して大丈夫そうね」


伊藤さんはそう言って私の顔からマスクを外してくれた。


「ねぇ、私みたいな人が誰かと付き合ったり、恋愛したりできるのかな?」


「できるわよ。幸未ちゃんだって普通の女の子だもの。
でも、やっぱり悲しませちゃう事のが多いかもしれないね」


伊藤さんは苦笑した。


「仕事があるから私は行くわね。
何かあったらいつでもナースコール押していいから」


「うん、わかった…」


伊藤さんが出てって1人になった病室はとても静かで広く感じた。