幸恋‐ユキコイ‐

きっと、このまま付き合ったとしても私が死んだらずっと悲しむから。


さよなら。奏太。


私とは違う、健康な人と幸せになってね。


「…っ…かな…ったぁ…
うっ…ふ…」


私はベッドに入ると本格的に泣き出してしまった。


奏太がこれで幸せになれると思ったら嬉しいのにどうして涙が流れてくるの?


「くる…し…」


いっぱい泣いていたら呼吸が苦しくなってきた。

息が吸えない。

吐けない。


きっと過呼吸だ。

やっとの思いでナースコールを押した。

3分も経たないうちに看護師さんが病室に入ってきた。


「山中さん!どうしたの?!」


「先生呼んできます!」


私はホッとしたのかそこで意識を失った。