「俺、幸未が好きなんだよ…
ずっと俺のそばにいて欲しい」


ズットオレノソバニイテホシイ


「ごめん…私にはできないよ」


いつ死ぬかわからない私がそばにいる資格なんてない。


「どうして?俺のこと嫌い?」


奏太は私の肩を掴んだまま問いかけた。


「私、長く生きられないの」


衝撃的な言葉を発した私を奏太は驚いた顔で見た。


「それに私は奏太のこと好きじゃない」


嘘だよ。
本当はすっごい好きなんだよ。


「気持ち伝えてくれてありがとう。
ごめんね?私は奏太の気持ちには応えられない」


「嘘だ!だったら何で泣いてるんだよ?」


やめて。
これ以上一緒に居たら一生懸命作った壁が壊れてしまう。

頑丈な鍵が外れてしまう。


「もう会わない方がいい」


私はそう告げて屋上から立ち去った。

最後に見えた彼の顔はとても悲しい顔をしていた。